滅多矢鱈分析学

滅多矢鱈に精神分析的言説を開陳するブログ、冗談半分です。

スパイダーマン3はなぜ酷評されるのか

 

サムライミ版スパイダーマンを子供の頃に見た私にとってあの三部作はまぎれもなく名作であり、人がスパイダーマン3は駄作だというとき私には何が言いたいのか全く理解ができない。それは大人になった今見返しても同様である。

そこでRotten Tomatoesでその理由を調べてみた。

 

www.rottentomatoes.com

酷評

Too many villains, too many pale plot strands, too many romantic misunderstandings, too many conversations, too many street crowds looking high into the air and shouting "oooh!" this way, then swiveling and shouting "aaah!" that way.
悪役が多すぎ、筋書きが淡白すぎ、恋愛のすれ違いが多すぎ、会話が多すぎ、街行く人が高いところを見て「おーっ!」とこちらで叫び、振り向いて「あーっ!」とあちらで叫んでいる。

Full Review | Original Score: 2/4 | Nov 16, 2007


What's worse is that after a fairly pedestrian opening, director Sam Raimi loses all control of the film as it rambles from storyline to storyline in search of a center.
さらに悪いことに、かなり平凡なオープニングの後、サム・ライミ監督は、中心を探すためにストーリーからストーリーへと奔走するうちに、映画のコントロールを失ってしまったのだ。
Full Review | Original Score: C- | May 3, 2007

Parts of this are just ludicrous. There are two full-blown musical numbers, a segment that looks like it was lifted from Dancing with Stars and a bizarrely idiotic sequence feeling like a surreal homage to, of all things, Saturday Night Fever.
この作品の一部は、ただただ滑稽である。本格的なミュージカルナンバーが2つあり、『ダンシング・ウィズ・スターズ』から持ってきたようなセグメントや、とりわけ『サタデー・ナイト・フィーバー』のシュールなオマージュのように感じる奇妙でバカげたシークエンスがある。
Full Review | Original Score: 2/4 | May 2, 2007

It's as if director Sam Raimi felt he had to give us more of everything, and in the process lost sight of what made the first two films so enjoyable.
まるで、サム・ライミ監督が、より多くのものを提供しなければならないと考え、その過程で、前2作の楽しさを見失ってしまったかのようです。
Full Review | Original Score: 2/4 | May 1, 2007

比較的最近酷評

"Now dig on this!" There are so many things wrong with this film. From the muddled plot to the uncharacteristic actions by the main cast, there isn't anyone that I root for during this film. You can blame it on the symbiote, but Peter was already self-centered 5 minutes into the film and MJ was overly critical. Rather than focus on an epic final confrontation between Peter and Harry, the filmmakers instead went the soap opera amnesia route to make room for lesser conflicts. With too much going on and the worst "cool guy" dance moves in film history, Spider-Man 3 is a dumpster fire from start to finish. The fact that the line "Find us some shade. Thanks, hot legs." made it into the final cut is baffling. If the goal was to make me loath Spider-Man for 149 minutes, they did their job.
"さあ、のっていこうぜ" この映画にはたくさんの悪いところがある。混乱したプロットからメインキャストの個性的でない行動まで、この映画で私が応援する人は誰もいない。シンビオートのせいにすることもできるが、ピーターは映画が始まって5分ですでに自己中心的になっていたし、MJは過剰に批判的だった。ピーターとハリーの壮大な最終対決に焦点を当てるのではなく、映画製作者は、より小さな葛藤のためのスペースを確保するために、ソープオペラ記憶喪失の道を歩んだ。映画史上最悪の "クールな男 "のダンスなど、盛りだくさんすぎる『スパイダーマン3』は、最初から最後までゴミ屋敷のような作品だった。日陰を見つけてくれ」という台詞があったことも事実だ。ありがとう、ホットレッグ」というセリフが最終カットに入ったのは不可解だ。149分間スパイダーマンを憎むように仕向けるのが目的だったのなら、彼らは仕事をしたのだ。

The movie doesn't make sense, the way the Uncle Ben story worked is screwed up, the way the symbiote arrives is forced, and the way Sandman gets his powers is forced, and what ruined the movie was that its protagonist and its antagonists are the worst of the movie. 52/100
映画は意味不明だし、アンクルベンの話の進め方はめちゃくちゃだし、シンビオートの到着の仕方も強引だし、サンドマンの力の出し方も強引だし、この映画をダメにしたのは、主人公とその敵役が映画の中で一番悪いということです。52/100

Too many plot points happening at one time, so it feels like each one of them is trying to fight for the spotlight.
一度にたくさんのプロットが起こるので、それぞれがスポットライトの奪い合いをしているように感じられる。

This movie was sooooo bad, and it's no fault of Toby Maguire or Sam Rammi. But Sony's. They forced Rammi to use venom when he didn't like the character because he didn't know anything about. They over stuffed the movie with villains and and the story was nearly impossible to follow with, because of it being all over place. The venom character wasn't even the character not in the slightest. It could have been more of a carnage character venom. The jackass dance? Really? That wasn't needed. This was by far the worst movie of all time second of Ghost rider spirit of vengeance . 1.5 out of 10.
この映画はすこぶる悪かった、トビー・マグワイアやサム・ランミのせいではない。しかし、ソニーのせいです。トビー・マグワイアもサム・ラムミも悪くないのですが、ソニーが悪いのです。彼らは、ラムミがそのキャラクターを好きではないのに、何も知らないからとヴェノムを使うことを強要しました。悪役を詰め込みすぎて、ストーリーはほぼ不可能になったんだ、そのせいで。ヴェノムのキャラは全然キャラが立ってなかった。もっと殺伐としたキャラのベノムでよかったのに。ジャッカスダンス?そうなんですかー。あれは必要なかった。これは、ゴーストライダーの復讐心に次ぐ、史上最悪の映画だった。10点満点中1.5点。

 

所感

まあこんなもんか、大体分かった。レビュワーたちの批判は言われてみればなるほどとは思うので別に反論はしない。

しかし以上のような欠点だけで、スパイダーマン3が誰もが認めるような駄作扱いされている理由はやはり未だにわからない。正直にいえば、スパイダーマン3を駄作扱いしないと映画のことを分かっていないやつだと思われるのがいやで、わざわざ酷評しているのではないかと思ってしまうぐらいである。

サムライミはソニーにヴェノムを無理矢理ねじこまれたことを根にもっているらしいことは以前から知っていた。ということは初期プロットにおいて、ヴィランサンドマンとグリーンゴブリンの二人だったのだろう。

しかし個人的にはサンドマンこそ、この映画で必要なのか、という気がしてならない。ヴェノムはむしろいろんな意味でキャラは立っていた。例のダンスシーンとか…。しかしサンドマンはいまいちモチベーションの分からないキャラだ。子供のためとはいえ強盗を行い、過失とはいえ人を殺している。逮捕されてもそのことを反省せず再び犯罪を犯すが、なぜか急に改心してどこかへ去っていく。そしてMCUに現れて、なぜかトムホランドスパイダーマンと戦う。(いかん、酷評レビュワーたちのようなことを書いている。)

もちろんこの適当さはヴェノムがねじ込まれたためにプロットがおかしくなったせいだとも考えられるが、ヴェノムがいなかった世界線のことはひとまず忘れよう。結果からみればヴェノムは映画を面白くしていると思う。(これは私がエリザベス・バンクス演じるjkシモンズの秘書役のベティ・ブラントが好きで"Peter Parker, Peter"というシーンをつくってくれたために過大評価している可能性は否めない。jkシモンズが部屋に入ってきたあとのベティ・ブラントの演技は百見に値する。)

だからヴェノムをねじ込んだソニーを酷評するのもあまり納得ができないという立場だ。

スパイダーマン4が見たかったね…