滅多矢鱈分析学

滅多矢鱈に精神分析的言説を開陳するブログ、冗談半分です。

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マルクス主義と構造主義

構造主義はマルクスに対するアンチテーゼである(『わかりたいあなたのための現代思想・入門』p185)という記述を目にし、それが私の理解とは異なるものであったので少し調べてみる。 橋爪大三郎はこの考え方(「アンチテーゼである」)に整合的である。 構造…

統一教会と一億総陰謀論者

安倍元首相銃撃事件によって広く知られることとなった自民党と旧統一教会との癒着は、現在でも解明が不十分である一方、一党優位政党制のもとで選択肢のない国民は野党に期待することもできず、その結果自浄作用も不十分に終わるであろうというディレンマに…

日本吃音協会に見るポリコレの限界【水曜日のダウンタウン】

現在、以下のツイートが話題になっている。 NPO法人 日本吃音協会【公式】SCW on Twitter 事実関係は次のようなもの。 NPO法人「日本吃音協会」が1日、公式ツイッターで「先日、NPO法人日本吃音協会はTBSに対して7月6日(水)放映『水曜日のダウ…

述語制とは何か

ひとまず引用を置いておくが、実際に書籍を読まなければよくわからないと思われる。 時間があればもう少しわかりやすくしますがひとまずこれで。 なお金谷信者にならないために田川拓海氏のエントリーは必読です。特に生成文法について金谷はほとんど何も知…

「聖書的に正確な天使」は本当に聖書的に正確か

天使の冒涜的な本当の姿とその名前 何をもって「正確」といえるか Seraphim Cherubim Ophanim 天使の冒涜的な本当の姿とその名前 "Biblically Accurate Angel"というtweetを見た。(このアカウントの雑多さからして転載であると思われるが、誰がつくったもの…

【解説】小津と私の逃走経路【四畳半神話大系 第5話「ソフトボールサークル ほんわか」】

四畳半神話大系 第5話「ソフトボールサークル ほんわか」において、小津たちはほんわか信者たちから逃げるために、命からがら疎水を下って鴨川まで逃げ延びる。 これはおそらく琵琶湖疎水であり、琵琶湖から鴨川に向って第1疎水が流れているのがわかるだろ…

自粛要請というポストモダン的父

自粛要請のことを言語学で撞着語法というらしい。 撞着語法(どうちゃくごほう、英語: oxymoron)とは、修辞技法のひとつ。「賢明な愚者」「明るい闇」など、通常は互いに矛盾していると考えられる複数の表現を含む表現のことを指す。(weblio) 【自粛】 《名…

「映画『パプリカ』」についての精神分析的解説

『パプリカ』とは、今敏監督によるアニメ映画であり、原作は『時をかける少女』などの作者でもある筒井康隆です。 映画の冒頭で、粉川警部は不安神経症の治療を求めてパプリカのもとを訪ねている。パプリカはDCミニという機械によって、夢に侵入し神経症の原…

「ユダはなぜ裏切者ではないのか」についてのキリスト教的解説

『HUNTER×HUNTER』には記憶に残るような印象的なセリフが多い。 ウボォーギンの「俺たちの中にユダ(裏切者)がいるぜ」という報告に対して、幻影旅団の団長であるクロロ=ルシルフルは、「いないよ、そんな奴は。それにおれの考えじゃユダは裏切り者じゃない…

「混浴年齢引き下げ」についての精神分析的解説

厚生労働省が「衛生管理要領」を見直し、銭湯や温泉など公衆浴場において「おおむね10歳以上の男女を混浴させないこと」としていた指針を、「7歳以上」に引き下げたという記事を見た。 このような小児性被害についての警戒が正当であることは疑いようもなく…

「吉良吉影の手フェチ」についての精神分析的解説

『ジョジョの奇妙な冒険』の第四部のラスボスである吉良吉影は非常に記憶に残るキャラクターであろう。特にその今際の際に述べたセリフは彼の異常性を象徴するものとして語り継がれている。 吉良吉影 わたしは…子供のころ レオナルド・ダ・ビンチの「モナリ…