シエスタ

非公式K大オカルト研究会会長によるHP

イレイザーヘッド 感想

デヴィッド・リンチの長編デビュー作である「イレイザーヘッド」見ました

モノクロ映画で訳が分からないという前評判は聞いていました

実際わけがわからずまともな感想すらいえませんが、こういう雰囲気は大好きです。大好きですが、これほど動かない物語でやられても冗長であるという印象はぬぐえませんでした。一時間超えないくらいの長さで見せてくれたならもっとよかったかもしれません

訳が分からなかったとはいえやりたいことは

夢と現実の交錯

悪夢の侵食

現実すらも寄る辺なくする不安定感

の表現をしようとしたのかなと思いました

夢野久作の小説を読んでるような感覚で、もっと起承転結があれば、とまではいわないまでも物語性が欲しかったです

理解できなかっただけかもしれませんが。

しかしカルト映画の代名詞とまで言われる本作の魅力は感じました

 

この映画が悪夢を表現しているならここに出てくる表象は解釈できてもよさそうですが、しかし全く糸口すらつかめないですね

全員精神病を患っているような恋人の家族、タイトルにもなってるヘンリーの頭から作られるイレイザーヘッドインスマス顔の赤ん坊、ラジエイターレディなど…

わっかんないよ!

 

天国ではすべてがうまく行く
in heaven everything is fine

天国には悩みなんかない
in heaven everything is fine

天国では何でも手に入る
in heaven everything is fine

あなたの悦びも
you got a your good thing

わたしの悦びも
and I've got mine

天国では……
in heaven……

 

こういうことです

 

町山智浩氏の解説によるとこの映画にはいくつかの元ネタがあるらしいです。この解説を聞くことによってかなり理解出来ました

一番の元ネタが自身の実体験であるということです。つまりアーティストを目指していた若いころの彼に対して急に子供が出来てしまったことに対する不安、それを表現しているものであると。これが分かるだけでこの映画の半分以上は理解できます

さらに云えば「素晴らしきかな人生」という元ネタ

これは最初に出てくる惑星の男の正体の核心に迫るもので、つまり惑星の男はこの映画における神であり、その神が授けたのがインスマス顔の赤ん坊であるスパイクであるということを表現しています

もう一つは「反撥」

これはイレイザーヘッドの構造とほとんど一致していて、デヴィッド・リンチが多用する市松模様の元ネタにもなっています

 

町山さんの知識には頭が下がります